通知税理士って何?弁護士?税理士? 

現在、税理士事務所で実務経験を積んでいるアラフォーママです。日々勉強させてもらっています。
税理士試験科目は、3科目合格し大学院での免除申請も終わって、後は実務経験のみという段階です。

今日は、この前初めて聞いた通知税理士についてです。

先週、あるお客さんの顧問弁護士さんの名刺に、通知税理士といった肩書が記載されているのを見ました。通知税理士という言葉を初めて聞いたので、

「一体、通知税理士とは、何者なのか?」を

調べ、簡単にまとめてみました。

通知税理士とは

簡単にまとめると、
通知税理士とは、弁護士が税理士業務を行う場合の肩書です。
その際、通知弁護士と謳うのは、国税局長に弁護士が税理士業務をするよ!と通知をしているという印です。弁護士資格も所有している優秀な方であることにちがいはありません。

また、この場合の通知税理士は、税理士会に所属するわけではありません。
所属は、弁護士会です。

弁護士会での所属ですので、弁護士法で定められている条文にしたがって、税理士業務をすることができるのかと思いきや、税理士法に従って、通知税理士として業務することとなっています。

通知税理士について、調べていくと、そう簡単には答えが出ない…。
弁護士法からの捉え方と税理士法からの捉え方が違っているようです。

まずは、弁護士法からの捉え方をみていくことにします。

弁護士法の捉え方 弁護士が税理士業務行う場合

弁護士法では、弁護士が行う税理士業務については、次のように書いています。

弁護士法
第一章 弁護士の使命及び職務
(弁護士の職務)
第三条 
 弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。

弁護士法 | e-Gov法令検索より


弁護士は何の規制なく税理士ができると謳っています。

これってすごい法律ですよね。何の規制もなく、弁護士であれは税理士として仕事できます。
弁護士さんが優秀な方であることは間違いないのですが、
税理士業務をそんな簡単にできるものかなぁと思ったり…。

弁護士法では認められています。

税理士法の捉え方 弁護士が税理士業務を行う場合

まずは、国税庁のホームページで、通知税理士についてこう書かれています↓

国税局長に通知を行った弁護士について

税理士法 第51条
弁護士及び一定の弁護士法人は、所属弁護士会を経て、国税局長に通知することにより、その国税局の管轄区域内において、随時、税理士業務を行うことができることとされています。

国税局長に通知を行った弁護士|国税庁 (nta.go.jp)より

これを、読みやすくすると、

弁護士は、弁護士会を経て、国税局長に通知することで、税理士業務ができる。ということです。

も~っと簡単にすると、

弁護士さんは、国税局長に通知すれば、税理士として仕事していい!ってことです。

弁護士法と税理士法での捉え方の違い

弁護士が税理士業務をすることに対して、弁護士法と税理士法では、少し捉え方が違いますが、どちらにしても、税理士試験や実務経験なしでも税理士業務ができるということでした。

通常であれば、過酷な税理士試験を5教科も突破することで税理士資格をもらえますが、
弁護士の資格があれば、国税局長に通知することで税理士業務をしてオッケー!ってことです。

ちなみに、公認会計士や国税庁のOBも弁護士と同じく、税理士試験なしで税理士業務ができるのですが、元々の仕事内容からすれば十分納得できるとは思います。

やはり弁護士については、税務の勉強なしで税理士業務ができるのかと心配な部分はありますが、弁護士になる人の能力値はめちゃくちゃ高いので、そう法律で定めているのでしょう。
納得ですね。

弁護士法と税理士法 弁護士が税理士業務を行う場合の通知の可否 裁判例

弁護士法と税理士法とで、
弁護士が税理士業務を行う場合の捉え方の違いについて、裁判例がありました。

調べた限り、だいたい同じ意味なんだなぁって感じましたが…。

裁判になるほどその差異について検討する余地がある議題なようです。

  • 弁護士法によると弁護士は通知なしでも税理士として仕事できる。
  • 税理士法によると弁護士は国税局庁への通知があって初めて税理士として仕事できる。

この相違が争点となっている高等裁判所の裁判例です↓。

通知がないのに税理士として仕事しちゃいかんだろ、という税理士法からの解釈側。
弁護士は裁判所や法務省の監督を受けず、弁護士会の監督を受けるだけであり、税理士法により国税庁の監督を受けるのは不当である、という弁護士法からの解釈側。
の対決です。

最終的には、後からできた法律が優先であるといった考え方が勝ちました。
後からできたのは税理士法。こちらが優先となるといったことで終結しました。

ということで、現在は、税理士業務を行う弁護士は国税局長に通知しなければならないようです。

たまたま通知税理士さんにお会いできる機会があり、このように勉強させていただきありがたい出会いでした。

何かの参考になれば幸いです。

おやつコーナー

頂いたおやつ。

あー、美味しかった!チョコクーヘン最高!

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